省エネ性能、耐久性など、高付加価値建材が続々
より「安心・安全」「快適」な住まいづくりを支援

住宅性能のさらなる省エネ化が求められる中で、多くの建材メーカーが、住宅の高性能化に寄与する断熱材や窓サッシなどを2017年春のイチオシ商品としてあげた。カネカケンテックのイチオシ商品は、押出法ポリスチレンフォーム断熱材「カネライトフォームFX」。その理由を「ZEHなどに取り組む、住宅事業者の高性能住宅づくりのニーズに合致するため」としている。「伝導」「輻射」「対流」という熱伝導の3要素を抑制することが断熱性能に関わると言われているが、同製品では、「輻射」と「対流」を従来品よりも抑制することで、0.022W/(m・K)という最高レベルの熱伝導率を達成している。

旭ファイバーグラスは、高性能グラスウール断熱材「アクリアαシリーズ」をイチオシする。世界初の約3ミクロンの超細繊維を製造することに成功。「標準的な柱の厚みで、熱抵抗値3.3㎡・K/Wを達成した。これにより平成28年度省エネ基準の寒冷地の壁に要求される断熱性能をクリアできる」(同社)。ホルムアルデヒドを一切含まないノンホルタイプのグラスウール断熱材としても定評がある。

パラマウント硝子工業は2016年4月からノンホルムアルデヒド化を実現した高性能グラスウール断熱材「ハウスロンZERO」を発売。一層の安全性の向上を図った上で、ZEHなどにも対応できる高い断熱性能も付与し、熱伝導率0.038W/m・Kという優れた断熱性能を発揮する。また、室内側の防湿フィルムを断熱材と一体化し30mm以上の留め付け耳幅を確保することで施工性の向上も図った。「人や地球にやさしく、施工性も良いハウスロンZEROが高断熱・高気密住宅のスタンダードとなってほしい」(同社)。


住宅で最も熱の流出入が大きい窓の高断熱化も重要に

窓は、住宅の中で最も熱の流出入が大きい箇所であり、住宅の断熱性能の向上を図るには、窓の断熱性能の向上を図ることがひときわ重要になる。
 こうした中でエクセルシャノンは、樹脂サッシ「シャノンウインドTypeEB/EC(防火)」をイチオシ商品としてアピールしている。「とくに首都圏では、防耐火規制を受け、防火認定を取得した窓サッシが求められる。その点、高断熱窓サッシで防火認定を取得している同製品は優位性がある。」(同社)。

ykk kenzai.jpgYKK APは、2017年4月から発売した新・アルミ樹脂複合窓、「エピソードNEO」をイチオシ商品にあげた。樹脂窓の普及拡大を業界に先駆けて進めてきた同社は、樹脂窓の販売強化とともに窓サッシ業界全体のレベルの底上げにも取り組んでいる。その戦略商品として開発したのがアルミ窓並の価格帯を実現したエピソードNEOだ。「建材流通店や工務店などからのノックダウン品への要望に対応し組み立てやすさや施工性にも配慮した。2020年までに高性能窓の構成比率80%(アルミ樹脂複合窓40%、樹脂窓40 %)を目指す」(同社)としている。


外付けブラインドなどでより快適な生活を提案

住宅の快適性能の向上を図る相手ムとして外付けブラインドなどを推すメーカーも多かった。採光・採風をコントロールできるほか、断熱性能や、遮音性能、防犯性能などの向上にも寄与する。オスモ&エーデルは、ドイツ製の外付けブラインド「ヴァレーマ」をイチオシ商品にあげた。「冬の寒い時期には、太陽の光を取り入れ、室内を暖かく保ち、暑い夏には、日射を遮蔽し、冷暖房負荷を抑える。室内に取り込む太陽の光を自在にコントロールできるのが外付けブラインドの魅力」(同社)だという。

ニチベイでは、「これから陽射しが強くなる季節におすすめ」として外付けロールスクリーン「ソヨカ」をイチオシ商品にあげた。「室内で日射を遮蔽するよりも、外部で遮蔽する方がより高い省エネ効果が期待できる」(同社)としている。


換気部材などで住宅の長寿命化を推進

本格的なストック時代へと向かうなかで「よりよい住宅をつくって長く大切に使い続ける」という価値が一般化しつつある。住宅の長期使用という観点から換気通気部材などをイチオシ商品として推すメーカーも多かった。

ハウゼコは、4種類の換気部材をセットで提案する「ハウゼコセット」の販売を強化している。「都市部などで敷地上の制約から軒ゼロ住宅が増えているが、屋根、壁の取り合い部分に余裕がなく換気・通気経路を確保しにくい。そこで、軒ゼロ住宅に最適な部材を集めハウゼコセットとして販売している。防水試験、通気量試験、現場検証などを実施し、十分な換気・通気性能を担保した」(同社)。

日本住環境のイチオシ商品はバルコニー笠木下の換気・通気部材「笠木天端スペーサー」だ。独自の通気構造を採用することで、優れた防水性能と通気性能を持たせた。手摺壁の上部にも通気経路を確保することで腰壁の両側に設けた通気層に溜まる湿気を集め、排出する機能を持たせた。「バルコニー周辺は、荷揚げ場所や踏み台になるので養生材が必要だが、笠木天端スペーサーには十分な強度性能も付与した。養生材の役割も果たし、現場での施工手間を省略できる」(同社)。


内装、外装を問わず高意匠提案も活発化

意匠性に優れた内装フロア、内装材、外装材などをイチオシするメーカーも目立った。朝日ウッドテックのイチオシ商品は、2017年1月から発売を開始した高機能複合フロア「LiveNaturalプレミアム」だ。「住まいの高性能化が進む一方で、住まいを構成する建材は、自然素材のものが少なくなり、人工的なものが増える傾向がある。だからこそ日々、肌に触れ、目にする床材には本物の木のぬくもりが欲しいというニーズが高まっている。こうした消費者のニーズに応え、ライブナチュラルプレミアムを製品化した」(同社)。新たに発売した「RUSTIC(ラスティック)」では、節や白太などの天然木が持つ個性をそのまま活かした意匠となっている。

永大産業は、高い意匠性を付与した複合フローリング「銘樹 irodori」をイチオシする。「銘木を用いてこれまでにない斬新な意匠を実現した製品。より個性的な住空間を演出できる」(同社)としている。

大建工業では、シートフロア「トリニティ」をイチオシ商品にあげた。「フロアの四周木口面まで特殊シートで巻き込むことで無垢のような仕上がりを実現した。優れた耐久性を発揮し、初期の美観を長期にわたり維持する。発売開始以来、高い評価をいただいている」(同社)。

ここにきて、とくに内装壁材の分野では、既存の壁紙に加えて新しい素材のものが登場してきている。内装壁材市場の50%以上のシェアを持つサンゲツでは、黒板の機能を壁紙にもたせた「Black boad(黒板クロス)」をイチオシ商品にあげた。「描くものによって印象が変わり、使う人の感性にあった空間を演出できる。コーディネートの幅を広げるアイテムとしてアピールしていきたい」考えだ。

四国化成工業がイチオシする内装仕上げ材「磨き壁ルミデコール」も、ユニークな壁材として注目を集めそうだ。「コテで自然素材の塗り壁材を塗り付けた後に電動工具で磨いて仕上げることで、熟練の技工を必要とせず、短い工期で塗り壁材の最高級仕上げの一つと言われている『磨き壁』を簡単につくれるようにした」(同社)。

AGC旭硝子のイチオシ商品は、住宅用内装ガラス「ラコベル プリュム」だ。ガラスと樹脂を全面貼合することで、ガラスの厚みを薄くしつつ、優れた強度性能を確保し、施工性の向上も図った。全16色の豊富なカラーも用意した。「生活空間をより豊かに、より自分らしく演出できる」(同社)としている。

外壁材や屋根材の分野では、優れた意匠とともに、耐久性の向上を図った商品が相次いで発売されている。
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ニチハは、2016年1月から販売を開始した窯業系サイディング「Fu‐ge(フュージェ)」をイチオシ商品とした。フュージェは独自に開発した「ドライジョイント工法」により、サイディングの四辺に継ぎ目のないすっきりとした外観を実現した外装材。「超高耐候塗料の採用により約30年のロングメンテナンス化を実現している」(同社)。

旭トステム外装は窯業系サイディング「ガーディナルsmart」シリーズをイチオシ商品にあげた。ガーディナルsmartでは、独自工法によりシーリング材を不要にし、継ぎ目の目立ちにくい美しい外観を実現。「すっきりとした仕上がり感と、安心の塗膜15年保証付きで、外壁材を長く綺麗に保てる」(同社)。


リフォームでは施工性を売りに

施工性に優れたリフォーム商品をアピールすることで、リフォーム市場の深耕を図ろうとする動きも目立った。

LIXILは、新カバー工法を採用した窓リフォーム商品「リフレム リプラス」を2017年3月に発売した。新構造のリフォーム専用枠を活用することで最短60分で施工可能。すっきりとした意匠性も実現した。この商品を起爆剤として「新たな窓リフォームの需要創造と住宅ストックの省エネ化を推進していきたい」考えだ。

三協立山 三協アルミ社は、ノバリス リフォーム玄関ドア「NOVARIS(ノバリス) リフォーム玄関ドア」をイチオシ商品とした。7年ぶりにリニューアルしたもので、現場施工の手間を軽減する工夫を満載し1日で簡単に取替えられるようにした。「トレンドに合わせたデザイン・カラーも多数ラインナップしている」(同社)。

2017年春も建材メーカー各社は、省エネ性能、耐久性、意匠性などを高めた付加価値建材の拡充を進めている。より「安心・安全」「快適」な住まいづくりを支援していきたい考えだ。

高性能建材を使った断熱改修に積極的な事業者を支援

経済産業省が「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」で新たに「断熱リノベ事業者」の登録制度を導入した。2017年度は「集合住宅」の断熱改修を行う事業者に絞って公募。

100戸以上の集合住宅の断熱改修で補助金を申請する際、登録事業者が設計または工事を行うことを要件とした。将来は「戸建住宅」にも対象を拡大したい考えだ。

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経済産業省は2017年度の「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」で新たに「断熱リノベ事業者」の登録制度を導入した。

この事業は既存住宅の省エネリフォームにおいて、高性能建材を用いた断熱改修を支援するもの。補助対象製品(ガラス、窓、断熱材)を用い、既存住宅の断熱改修を行う際、材料費や工事費の一部を補助する。

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新設住宅着工戸数
50万戸時代の到来で求められる脱新築依存体質

キーポイント
▶住宅着工戸数は中長期的な減少傾向に
▶消費税率の引上げでさらに減少する懸念
▶50万戸時代の到来を予想する声も

住宅市場の「現状」を把握するための重要な指標となるのが、国土交通省が毎月発表している新設住宅着工戸数だ。

近年の住宅着工戸数の推移を見ていくと、2009年度が大きな転換点となっている。リーマンショックによる景気低迷の影響を受けて、着工戸数は前年度比25.4%減の77万5277戸となり、100万戸を割り込んだ。一時は160万戸を超える着工戸数があったが、一気に80万戸を割り込む水準にまで激減したのだ。

その後、住宅着工戸数は徐々に増加していき、消費税率が8%に引上げられる前の2013年度には98万7254戸まで回復した。

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2018年度からビルダー評価制度を実施
補助事業は補助額引き下げ広く支援

経済産業省のZEHへの支援が新たな局面に入ってきた。2017年度のZEH支援事業では、ZEHの普及を促す新たな仕組みを導入。

ZEHの認知度向上を図るためにZEHやZEHビルダーであることを示すマーク表示も開始する。さらに、2018年度からはZEHビルダーの評価制度も始める。

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経済産業省はZEHへの支援で様々な新たな取り組みを行っていく。

まず、2017年度のZEH支援事業については、前年度よりも補助額を大きく引き下げた。補助額は昨年度の1件あたり125万円から75万円としている。

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発電事業者には事業計画の提出が必要に
一般住宅でも入居者に計画策定求める

再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)についての法律が改正され、4月から「改正FIT法」が施行された。新たに、再生可能エネルギーの発電事業者には「事業計画」の提出が必要になるが、住宅業界には混乱も広がっている。

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国は再生可能エネルギーの拡大を図るために、2012年7月から固定価格買取制度(FIT)を開始した。制度開始4年で導入量は2.5倍に増加し、日本の再生可能エネルギーは順調に拡大してきている。

だが、一方でいくつかの問題も顕在化してきており、制度の見直しが必要になってきた。このため、再生エネルギーについての従来の制度を見直した「改正FIT法」が施行された。

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