インタビュー
コーセー 商品開発部 美容ソフト開発課 ビューティクリエイションユニット
ディレクター 林 みゆき 氏

快適な室内環境は肌の美しさを引き出す
湿度、温度、紫外線管理が重要に

≪住まい手の美しさを引き出す住まいについて化粧品メーカー、コーセーの林みゆき氏に伺った。
とくに見た目の美しさの印象を大きく左右する、肌の美しさを維持していくには、どのような住環境への配慮が必要なのか。
林氏は「いい肌の状態を維持していくには普段からの肌のお手入れなどとともに、住環境を快適な状態に保つことも大切な要素の一つになる」と話す。≫

hada01.jpg──住まい手の美しさを引き出す住まいのあり方について教えてください。とくに肌を美しく保つには、住まいの中でどのような配慮が必要でしょうか。

 肌の美しさを損なう大きな要因のひとつとしてまずストレスが挙げられます。ストレスが積み重なることで、心身のバランスが崩れ、均衡が取れなくなると肌荒れとなって皮膚に現れます。ニキビひとつとってもストレスが大きく影響していると言われています。ですから肌を美しく保つ上で、住まいが、いかにくつろげる環境であるか、リラックスできる環境であるかということが重要になります。

 どのような住まいがリラックスできるかは人それぞれ違いますが、一般的に女性であれば、心を落ち着かせる心地よい香りや、明るく穏やかな色、柔らかな質感の素材などに囲まれるとリラックスした気分を得られるのではないでしょうか。住まいの中にこうした要素を取り入れて、リラックスできる環境をつくることが肌を美しく保つための土台となります。

 リラックスできる住環境をつくる上では、照明も重要な役割を果たします。日本の住宅では、頭上から部屋全体を照らすライトなどが普及していますが、とくに女性を美しく見せるという意味ではおすすめできません。目の下まぶたなどに影が強調されてしまうのです。私がすすめるのは間接照明や、足元から照らすような光です。肌を多面的に柔らかく照らすことで美しく見せる効果が期待できます。

──その他にはどのような点に気をつけるべきでしょうか。

 居室内の湿度を適度に保つことも重要です。一般的に人の体内に占める水分の割合は、成人男性が約60~65%、成人女性が約55~60%だと言われています。そのため、居室内の湿度も人の体内に占める水分の割合と同じ水準、約50~60%に保つことが、肌にとっても心地よい環境と言えます。この水準以下の湿度になると肌が乾きやすくなります。逆に湿度が高くなりすぎると、肌もべたつきやすくなり、室内にもカビが生えやすくなります。

 室内の湿度をコントロールするために加湿器などを用いるという対策もありますが、多少、手間がかかります。個人的には、自然に室内の湿度を適度な状態にコントロールしてくれる調湿建材を用いることがおすすめです。日本には古くから漆喰という調湿機能を持つ塗材がありますね。最近では調湿機能を付与した壁紙やタイルなども建材メーカーから発売されていると聞きます。

 また、肌を美しく保つには湿度とともに室温にも注意を払う必要があります。居室内ではよくありがちなことですが、寒いからと暖房の効いた部屋に長くいると肌の乾燥を促すため、肌にとって非常に過酷な環境となります。湿度とともに室温にも配慮することで、肌へのストレスを軽減できます。

 温度差も肌にとってストレスになります。とくに冬場、寒い外から暖かい室内に入る際には、その温度差に肌が適応し切れず大きなストレスを受けます。これは室内でも同じことです。居室間に温度差があると、肌は適応しきれずにストレスを受けます。築年数が古い低断熱の住宅では、居間から脱衣所やトイレといった移動や入浴時に生じる温度差が大きくなります。住居内で何度も居室間の温度差のストレスを受けることで、肌へのダメージも積み重なっていきます。こうした住環境は、できれば避けたいものです。

──住宅業界ではヒートショック事故の防止という観点から断熱改修への関心が高まっていますが、肌の美しさを維持する上でも断熱改修は良いわけですね。

 そのほか、肌にとってはエアコンの風も大敵です。エアコンの風が勢いよく吹いている状態では、室内に干した洗濯物の乾きが早くなりますが、同じように肌も非常に乾きやすくなります。夏にエアコンを使わないのは難しいかもしれませんが、なるべく直接肌にエアコンの風が当たらないように工夫する必要があるでしょう。冬場には、床暖房などがおすすめですね。風を起こさない床暖房は、肌を乾燥させないので安心です。韓国には、オンドルという温水を循環させる床暖房が普及していますが、「韓国には肌がきれいな人が多い」と言われていることと関係しているのかもしれません。

 紫外線も肌に悪影響を与えます。紫外線にはA波とB波がありますが、とくに気を付けなければいけないのはA波です。このA波は唯一、肌の奥内部にまで届き、肌の弾力やハリを司る細胞を破壊するのです。現在、ほとんどの車には紫外線をカットする窓ガラスが標準で搭載されていますが、住宅の窓ガラスはどうでしょうか。紫外線カット機能を発揮する窓ガラス、もしくはブラインド、カーテンなどを開口部に設置し、室内にいてもできるだけ紫外線には当たらないようにすることが肌対策としてはおすすめです。

 ここまで住環境での肌対策についてお話しましたが、こうした対策は肌を美しく保つための一つの要素でしかありません。普段からの肌のお手入れ、食生活、睡眠などの要素も肌のコンディションに大きな影響を与えることは言うまでもありません。住環境での肌対策とともに、普段からの肌のお手入れがいかに重要か。具体的な事例を説明しましょう。

 人の肌の表面は、厚み0.02mmほどの角層という層に覆われています。この非常に薄い角層の中に蓄えられる水分量で肌がきれいかどうかが決まります。角層の中には天然保湿因子(NMF)という水分を貯水する細胞があります。このNMFが減少してくると、いくら居室内の湿度を適切な状態に保っていても、また、いくら化粧水で保湿しても肌は乾きやすくなります。砂にいくら水を与えてもすぐに乾いてしまうのと同じ状態です。そこで美容液で水分保持力を高めたいですね。これにより森材の土壌のようにしっかりと水分を蓄えられるようになります。

 肌を美しく保っていくには、住環境を快適な状態に保つとともに、普段からの肌のお手入れ、食生活、睡眠といった様々な要素に対してバランスよく対策を取ることが重要になります。これらの要素がいくつか欠けると、きれいな肌を維持することができなくなってしまいます。

相続税対策
低金利を追い風に賃貸住宅市場が活況

2015年末から好調を維持し、新設住宅着工戸数の増加を牽引してきた賃貸住宅。ハウスメーカーでも戸建住宅の伸び悩みを賃貸住宅でカバーする企業が目立つ。

今年1月31日に国土交通省が発表した2016年12月分の建設着工統計調査報告によると、貸家は3万4475戸となり、前年同月比2.2%増加した。貸家の増加はこれで14カ月連続となる。とくに3月に3万戸を超えてから12月まで常に3万戸台を保っており、高水準を維持している。

総務省の国勢調査によると、少子高齢化の進展により日本の人口は2015年に1億2711万人となり、2010年から94万7000人減少。1920年の調査開始以来、初めて人口が減少した。しかし、世帯数は5340万3000世帯となり、2010年から145万3000世帯増加している。このため、世帯の規模は縮小しており、2010年の2.46人から2015年には2.38人に縮小している。

なかでも世帯人員が1人、つまり単身世帯が1684万5000世帯と全体の32.5%を占め最も多く、2010年の32.4%から割合も高まっている。

世帯数、とくに賃貸住宅入居者のボリュームゾーンである単身世帯が増えていることが、賃貸住宅市場の拡大を支える要因のひとつになっていると言えるだろう。

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開口部の断熱性能が重視される近年、開口部関連企業は高断熱窓のラインナップを増やしている。
一方、窓は外観と内観のどちらのデザインにも影響を与えるため、デザインも重要になる。

そこで今回は、建築家の山本想太郎氏に開口部デザインで重視する点や近年のトレンドなどを伺い、
選りすぐった8社の"かっこいい窓"を紹介する。

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三菱総合研究所
経営コンサルティング事業本部 経営戦略グループ
主任研究員
宮崎 要氏

生き残りをかけて海外など新市場への進出が加速する

──2016年は企業業績が堅調に推移し雇用も改善に向かいました。

日本経済の底堅さが出てきたという印象を持っています。国も産業育成に力を入れる一方、働き方改革を進めています。自分たちの生活に関わることが政策として進んでいることが分かると消費者のマインドも向上します。

ただ、住宅投資に向かうには現状の経済成長では充分とは言えません。もうひと押し必要でしょう。

その一方で、新築住宅については需要に対し供給が多すぎるのではないかと思っています。人口・世帯数が減少していくなかで年間90万戸もの新築住宅が本当に必要なのでしょうか。すでに供給過多の状態なので空き家問題などが生じているのではないかと思います。

そうしたなか、国はリフォームや既存住宅流通の拡大を掲げています。

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野村総合研究所
グローバルインフラコンサルティング部
上級コンサルタント
榊原 渉氏

2017年は変化に乏しい1年に〝移動人口〟の拡大がカギ

──住宅業界を取り巻く環境についてどう捉えていますか。

 米国のトランプ政権の発足や英国のEU離脱などもありグローバル経済の動向は不透明ですが、株価は堅調に推移しており、日本経済は上向いています。それが消費者マインドに結び付けば住宅投資も増えるのではないでしょうか。
 ただ、2017年に向け住宅市場はトピックが少なく、ドラスティックな変化は起こりそうにありません。消費税の引き上げも先延ばしになり、政策面でもプレミアム既存住宅などが動き始めていますが、市場が大きく変わる要素としては充分とは言えません。そういう意味で2017年は変化に乏しい年になりそうです。

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