調湿機能などを武器に現代住宅でも使いやすくアレンジ


shikoku2.jpg漆喰や珪藻土といった自然素材を利用した塗り壁材も、調湿機能などを発揮し、室内空気環境の改善に寄与する内装壁材として古くから使われているものだが、現代の住宅から和室が減少していく中で、苦戦を強いられているのも事実だ。

こうした中で、四国化成工業では、調湿機能といった自然素材の基本性能を維持しつつ、現代の住宅にもマッチする塗り壁材の開発を推進し販売を強化している。なかでも、主力商品として販売実績を伸ばしているのが、珪藻土を主成分として活用した内装塗り壁材「けいそうモダンコート」だ。調湿機能によりダニやカビの発生を抑制するほか、シックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドを無害化、生活臭、ペット臭も吸着・消臭する。

豊富な色柄のバリーションもけいそうモダンコートの強みになっている。落ち着いた印象の色からビビッドな色まで標準で75色をそろえた。「和室だけでなく、リビングなどにもマッチする。壁の3面に落ち着いた色を施し、1面だけ色を変えるといった楽しみ方もできる。また、オリジナルカラーの特注生産にも対応しており、設計事務所や工務店などに差別化商品として活用いただいている」(同社)。

kansaijpg.jpgさらに、骨材の配合量などを調整することで、様々な質感の塗り材をラインナップし、模様付けのバリエーションも増やしている。「コテ塗りなどよる凹凸のある模様は、インテリアの装飾として根強い人気がある。間接照明と組み合わせることで奥行きのある空間を演出できる」(同社)。

ここにきて塗料メーカーも吸放湿機能や抗ウイルス機能などにより、室内空気環境の改善効果を発揮する新商品を開発し、内装壁材市場の開拓に乗り出している。その一つが、関西ペイントが展開する漆喰塗料「アレスシックイ」だ。抗ウイルス機能、調湿機能、消臭機能、ホルムアルデヒド吸着除去機能など、漆喰の持つ基本性能を保持しつつ塗料化したもの。

esk.jpgアレスシックイの数ある機能の中でもとくに評価が高いのが抗ウイルス機能だ。長崎大学と共同で行った抗ウイルス機能を検証する実証実験では、人に感染する最も身近なウイルスである人インフルエンザウイルスのほか、乾燥や消毒薬に強い水泡性口内炎ウイルなど、様々なウイルスに対して抗ウイルス効果を発揮することを確認。こうした高い抗ウイルス機能を活かして、アフリカ諸国などでも、感染症対策として医療機関などで採用されている。そのほか、豊富なカラーバリエーションも用意した。漆喰独特の質感を生かした「デザイン仕上げ」などのバリエーションもそろえている。

エスケー化研では、シートにあらかじめ調湿機能をもつ塗料を塗布した左官調軽量調湿シート「SKカイテキテイラー」の提案を強化している。塗膜内部は緻密な多孔質構造となっており、これにより優れた調湿機能を発揮するとともに、臭いやVOCも強力に吸着する。

また、SKカイテキテイラーには、2.5mmという厚みで塗料を塗布することで、重厚な質感を持たせた。この塗料の厚みを活かして、リブ、リブモザイク、サガン、テール、ミディライン、ジュラクなど、陰影を強調した様々なデザインをラインナップしている。

ホーロー、セラミック、ガラスも内装壁材に

これまで一般的に内装壁材としては考えられてこなかったホーロー、セラミック、ガラスなどを用いた製品の開発、提案も活発化してきている。豊富なデザインバリエーションに加えて、素材そのものが持つ耐久性やメンテナンス性なども大きな魅力となっている。

タカラスタンダードは、ホーロー内装材「エマウォール〈インテリアタイプ〉」を発売している。高品位ホーローは、金属板をベースに清潔なガラス質を850度もの高温で焼き付けて密着させた同社の独自素材。高品位ホーローを採用した同社の水回り製品は、耐久性、清掃性などを高いレベルで実現した製品として定評がある。

エマウォール〈インテリア〉は、国内で初めてホーローの製造工程にインクジェット技術を取り入れ、高精細な絵柄を自由に表現できるようにしたもの。全22色のカラーバリエーションを用意しているほか、オーダーメイドにも対応している。耐久性、清掃性などのホーローの強みを継承しつつ、優れた意匠性も実現した内装壁材として内装壁材市場での存在感を高めている。

TOTOは、大型磁器質陶板「ハイドロソリッド」を開発し、内装壁材市場の開拓に乗り出している。大型陶板に、同社独自の光触媒技術ハイドロテクトを付与することで、抗ウイルス・抗菌効果、防汚・防臭効果などを発揮する。

3m×1m(厚さ5.6mm)という大型サイズの陶板に、多様なテクスチャー、風合いや色調を表現。大型サイズなので目地の少ない連続性のある空間を創出できる。

水墨画に見られるにじみ・ぼかしの模様などを再現した「KOTAN(コタン)」のほか、金属の経年変化を思わせる色の重なりを表した「KANKA(カンカ)」、陶磁器そのものの質感と味わいを引き題した「MUKU(ムク)」「SUZU(スズ)」の4柄14色を展開している。

AGC旭硝子では、住宅内装用カラーガラス「ラコベルプリュム」を開発した。樹脂と一体成型することで、ガラスの厚みを薄くしつつ、優れた強度性能を付与。これにより衝撃吸収力の向上に寄与するほか、万が一、強い力が加わった際にもガラスの飛散を防止する。安全性にも十分に配慮した。樹脂とガラスの厚みと合わせても総厚5mmに抑えた。

ライトベージュ、ナチュラルブラウン、ルミナスグリーン、リッチイエロー、リッチアルミニウムなど全16色を用意した。カラーガラス特有の質感や意匠性が住空間に奥行を創出し、高級感の演出に寄与する。新品時の意匠性を長期にわたり維持するほか、メンテナンス性にも優れている。

≪壁紙が圧倒的シェアを占めている内装壁材市場だが、ここにきて壁紙以外の様々な内装壁材の発売が相次いでいる。消費者の間で高まる、より上質なインテリア、室内空気環境などへのニーズを捉えようというもので、注目度も増してきている。対して壁紙メーカー各社も新商品の開発を進め、さらなるシェア拡大を目指す。新旧の競争が激化するなかで、内装壁材市場に地殻変動が起こりつつある。≫

日本では、戸建住宅内装の仕上げには、主に壁紙が用いられ、そのうち9割以上を塩化ビニル樹脂系の壁紙が占めている。

こうした壁紙一辺倒であった日本の内装市場に対して、これまで内装壁材を扱ってこなかった建材メーカーも、壁紙以外の様々な内装壁材を開発し、新たな価値提案を活発化させている。消費者のインテリアに対するこだわりを満たす意匠性、室内空気環境の改善に寄与する機能などを訴求しており、注目度も増してきている。

住宅の高付加価値化を図り単価アップを実現するアイテムとして積極的に採用する住宅事業者も増え始めている。


本物志向のニーズを満たす「木」の内装壁材がトレンドに

内装壁材の新興勢力の中でも、大きなトレンドとして挙げられるのは、消費者の本物志向のニーズを満たす「木」の内装壁材だ。

woodone.jpgウッドワンでは、2016年4月から無垢材を基材として用いた壁材「デザインウォール」の販売を開始した。

ニュージーランドで計画的に植林、育林したニュージーパインの無垢材を基材に採用し技巧を凝らした表面加工を施した。「和」をコンセプトに「刻」「菱」「波」「筋」「瓦」「鼓」「竹」「羽」「漣」という9つのデザインをラインナップ。深い彫りを施し、陰影を際立たせたデザインが特徴だ。それぞれ無垢を含む6色のカラーに対応している。間接照明などと組み合わせて用いることで、空間に深い奥行を生む効果を発揮する。

また、長尺(2727mm)を標準サイズとして設定し、天井の高い空間やキッチンカウンターの腰壁などにも使いやすいように配慮した。「継ぎ目がなく、2700mm以上という長さの無垢材を用いた壁材を製品化できるのは当社ならではの強み。自社で木を育て、枝打ちなどの手入れを行うことで、節のない良質な無垢材を確保できる。1本の木から中心を通るようにノコを挽いて取れる柾目と呼ばれる希少部分だけを使う。まっすぐな木目のラインを楽しめるほか、反りにくいという特長も備えている。和室やキッチンのカウンター、玄関空間の正面などにデザインウォールをワンポイントだけ使用するだけでも、空間の顔として引き立ち、印象が大きく変わる。高付加価値化を図るアイテムとして活用してほしい。単価アップにも貢献できる」(同社)としている。

asahiwood.jpg朝日ウッドテックでは、インテリアのアクセントとして2011年から木の壁・天井材「クールジャパン」の提案を強化している。長尺のボーダータイプや、長尺かつ薄型のスリムタイプ、方型のスクエアタイプの3つの形状の板材を用意した。

表面のデザインにも、フラットに仕上げたもののほか、「ソフトウェーブ」「ストレートデコラ」「シンプルリブ」などの凹凸加工を施したものなど、豊富なバリエーションを揃えた。形状や、表面デザインなどを自由に組み合わせてオリジナルの天井・壁材をつくれる。

「年々、販売実績は伸びている。木をインテリアに取り入れたいというニーズのあらわれではないか」(同社)。

また、2017年1月には、同社が展開する高機能複合フロア、ライブナチュラルプレミアムとコーディネートできる内装建材シリーズ「AndMore」のラインアップを拡充し「銘木無垢壁材」の販売を開始した。

節や白太など、自然の中で育ってきた木の個性を活かしつつ、壁材の表面に凸凹加工を施し、天然木の素材感を引き立たせた。
 従来のAndMoreの階段、手摺などと組み合わせることで、室内空間全体を同じ銘木素材でコーディネートできる。

「住宅着工が減少する中で、新規市場の開拓が重要になってきている。フローリングが主力の当社にとって、内装壁材市場は有望市場であり、今後、販売を強化していきたい。AndMoreの発売に加え、さらに針葉樹を使用した内装壁材の発売も予定しており、商品ラインアップを拡充していく」(同社)方針だ。

kiramu.jpgキーテックが展開する「キーラムインテリア」も、LVLの積層面を活かしたユニークな意匠性をもつ内装壁材として意匠設計者などから支持を集めている。

キーラムインテリアには、準不燃材料の大臣認定を取得したキーラムインテリアFRというものもある。木質材料を内装に使用する場合、防火性能などの問題から、建築基準法上の内装制限が係る部分には使用できない。準不燃材料の大臣認定を取得することでほぼ全ての建築物で使用できるようにした。

ストライプ柄の独自性の飛んだ意匠性、製品自体の厚みなどの組み合わせを工夫することで、これまでにないインテリア空間を創出できそうだ。

民泊事業者の届出制度を創設
管理・仲介業者には登録制度


国土交通省はいわゆる民泊新法の法案を「住宅宿泊事業法案」(仮称)」として3月上旬に通常国会へ提出する。民泊事業者については届出制度、管理・仲介事業者については登録制度を創設する。

* * *

民泊を行うためには、旅館業法で定められている許可を取らないといけないが、無許可で営業している事業者が多いというのが実情。このため、国土交通省は「住宅宿泊事業法案」(仮称)」を3月上旬をめどに提出し、旅館業法の許可を得なくても民泊サービスの提供を条件付きで認める。

法案では民泊事業を行う者を「住宅宿泊事業者(仮称)」とし、届出制度を創設する。民泊事業を行う住宅宿泊事業者は法案で定める要件を満たす旨を行政庁へ届け出なければいけない。具体的な要件については、現在詳細を詰めているところだが、基本的には昨年開催した「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の最終報告書に基づく方針。


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リフォーム市場、2013年を境に減少
団塊の世代もメインターゲットから外れる

リフォーム市場の拡大を図っていく上で、キッチン・バスといった水廻り関連の住宅設備は非常に重要な役割を担っている。リフォーム需要の中心的な存在であるだけでなく、水廻り関連設備を入り口に他の部位へもリフォーム需要が広がるケースが多いからだ。

水廻り設備メーカーとしても、新築が減少していくなかで、リフォーム市場の開拓は至上命題。他のメーカーよりも早くから取り組み始めていたTOTOやクリナップについては、売り上げに占めるリフォーム比率は5割以上にまでなっているが、今後はさらに伸ばそうとしている。

他のメーカーについては、現状では3割から4割がリフォームの売り上げといったところだが、中長期的には、リフォーム売り上げ比率を6割以上まで高めていこうとしているところが多い。例えば、タカラスタンダードの執行役員営業本部長・野口俊明氏は「新築市場が減少していくだけに、これから伸ばしていく売り上げにおいてはリフォームが重要となる」と語る。

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