ホーロー、セラミック、ガラスも内装壁材に

これまで一般的に内装壁材としては考えられてこなかったホーロー、セラミック、ガラスなどを用いた製品の開発、提案も活発化してきている。豊富なデザインバリエーションに加えて、素材そのものが持つ耐久性やメンテナンス性なども大きな魅力となっている。

タカラスタンダードは、ホーロー内装材「エマウォール〈インテリアタイプ〉」を発売している。高品位ホーローは、金属板をベースに清潔なガラス質を850度もの高温で焼き付けて密着させた同社の独自素材。高品位ホーローを採用した同社の水回り製品は、耐久性、清掃性などを高いレベルで実現した製品として定評がある。

エマウォール〈インテリア〉は、国内で初めてホーローの製造工程にインクジェット技術を取り入れ、高精細な絵柄を自由に表現できるようにしたもの。全22色のカラーバリエーションを用意しているほか、オーダーメイドにも対応している。耐久性、清掃性などのホーローの強みを継承しつつ、優れた意匠性も実現した内装壁材として内装壁材市場での存在感を高めている。

TOTOは、大型磁器質陶板「ハイドロソリッド」を開発し、内装壁材市場の開拓に乗り出している。大型陶板に、同社独自の光触媒技術ハイドロテクトを付与することで、抗ウイルス・抗菌効果、防汚・防臭効果などを発揮する。

3m×1m(厚さ5.6mm)という大型サイズの陶板に、多様なテクスチャー、風合いや色調を表現。大型サイズなので目地の少ない連続性のある空間を創出できる。

水墨画に見られるにじみ・ぼかしの模様などを再現した「KOTAN(コタン)」のほか、金属の経年変化を思わせる色の重なりを表した「KANKA(カンカ)」、陶磁器そのものの質感と味わいを引き題した「MUKU(ムク)」「SUZU(スズ)」の4柄14色を展開している。

AGC旭硝子では、住宅内装用カラーガラス「ラコベルプリュム」を開発した。樹脂と一体成型することで、ガラスの厚みを薄くしつつ、優れた強度性能を付与。これにより衝撃吸収力の向上に寄与するほか、万が一、強い力が加わった際にもガラスの飛散を防止する。安全性にも十分に配慮した。樹脂とガラスの厚みと合わせても総厚5mmに抑えた。

ライトベージュ、ナチュラルブラウン、ルミナスグリーン、リッチイエロー、リッチアルミニウムなど全16色を用意した。カラーガラス特有の質感や意匠性が住空間に奥行を創出し、高級感の演出に寄与する。新品時の意匠性を長期にわたり維持するほか、メンテナンス性にも優れている。

≪壁紙が圧倒的シェアを占めている内装壁材市場だが、ここにきて壁紙以外の様々な内装壁材の発売が相次いでいる。消費者の間で高まる、より上質なインテリア、室内空気環境などへのニーズを捉えようというもので、注目度も増してきている。対して壁紙メーカー各社も新商品の開発を進め、さらなるシェア拡大を目指す。新旧の競争が激化するなかで、内装壁材市場に地殻変動が起こりつつある。≫

日本では、戸建住宅内装の仕上げには、主に壁紙が用いられ、そのうち9割以上を塩化ビニル樹脂系の壁紙が占めている。

こうした壁紙一辺倒であった日本の内装市場に対して、これまで内装壁材を扱ってこなかった建材メーカーも、壁紙以外の様々な内装壁材を開発し、新たな価値提案を活発化させている。消費者のインテリアに対するこだわりを満たす意匠性、室内空気環境の改善に寄与する機能などを訴求しており、注目度も増してきている。

住宅の高付加価値化を図り単価アップを実現するアイテムとして積極的に採用する住宅事業者も増え始めている。


本物志向のニーズを満たす「木」の内装壁材がトレンドに

内装壁材の新興勢力の中でも、大きなトレンドとして挙げられるのは、消費者の本物志向のニーズを満たす「木」の内装壁材だ。

woodone.jpgウッドワンでは、2016年4月から無垢材を基材として用いた壁材「デザインウォール」の販売を開始した。

ニュージーランドで計画的に植林、育林したニュージーパインの無垢材を基材に採用し技巧を凝らした表面加工を施した。「和」をコンセプトに「刻」「菱」「波」「筋」「瓦」「鼓」「竹」「羽」「漣」という9つのデザインをラインナップ。深い彫りを施し、陰影を際立たせたデザインが特徴だ。それぞれ無垢を含む6色のカラーに対応している。間接照明などと組み合わせて用いることで、空間に深い奥行を生む効果を発揮する。

また、長尺(2727mm)を標準サイズとして設定し、天井の高い空間やキッチンカウンターの腰壁などにも使いやすいように配慮した。「継ぎ目がなく、2700mm以上という長さの無垢材を用いた壁材を製品化できるのは当社ならではの強み。自社で木を育て、枝打ちなどの手入れを行うことで、節のない良質な無垢材を確保できる。1本の木から中心を通るようにノコを挽いて取れる柾目と呼ばれる希少部分だけを使う。まっすぐな木目のラインを楽しめるほか、反りにくいという特長も備えている。和室やキッチンのカウンター、玄関空間の正面などにデザインウォールをワンポイントだけ使用するだけでも、空間の顔として引き立ち、印象が大きく変わる。高付加価値化を図るアイテムとして活用してほしい。単価アップにも貢献できる」(同社)としている。

asahiwood.jpg朝日ウッドテックでは、インテリアのアクセントとして2011年から木の壁・天井材「クールジャパン」の提案を強化している。長尺のボーダータイプや、長尺かつ薄型のスリムタイプ、方型のスクエアタイプの3つの形状の板材を用意した。

表面のデザインにも、フラットに仕上げたもののほか、「ソフトウェーブ」「ストレートデコラ」「シンプルリブ」などの凹凸加工を施したものなど、豊富なバリエーションを揃えた。形状や、表面デザインなどを自由に組み合わせてオリジナルの天井・壁材をつくれる。

「年々、販売実績は伸びている。木をインテリアに取り入れたいというニーズのあらわれではないか」(同社)。

また、2017年1月には、同社が展開する高機能複合フロア、ライブナチュラルプレミアムとコーディネートできる内装建材シリーズ「AndMore」のラインアップを拡充し「銘木無垢壁材」の販売を開始した。

節や白太など、自然の中で育ってきた木の個性を活かしつつ、壁材の表面に凸凹加工を施し、天然木の素材感を引き立たせた。
 従来のAndMoreの階段、手摺などと組み合わせることで、室内空間全体を同じ銘木素材でコーディネートできる。

「住宅着工が減少する中で、新規市場の開拓が重要になってきている。フローリングが主力の当社にとって、内装壁材市場は有望市場であり、今後、販売を強化していきたい。AndMoreの発売に加え、さらに針葉樹を使用した内装壁材の発売も予定しており、商品ラインアップを拡充していく」(同社)方針だ。

kiramu.jpgキーテックが展開する「キーラムインテリア」も、LVLの積層面を活かしたユニークな意匠性をもつ内装壁材として意匠設計者などから支持を集めている。

キーラムインテリアには、準不燃材料の大臣認定を取得したキーラムインテリアFRというものもある。木質材料を内装に使用する場合、防火性能などの問題から、建築基準法上の内装制限が係る部分には使用できない。準不燃材料の大臣認定を取得することでほぼ全ての建築物で使用できるようにした。

ストライプ柄の独自性の飛んだ意匠性、製品自体の厚みなどの組み合わせを工夫することで、これまでにないインテリア空間を創出できそうだ。

民泊事業者の届出制度を創設
管理・仲介業者には登録制度


国土交通省はいわゆる民泊新法の法案を「住宅宿泊事業法案」(仮称)」として3月上旬に通常国会へ提出する。民泊事業者については届出制度、管理・仲介事業者については登録制度を創設する。

* * *

民泊を行うためには、旅館業法で定められている許可を取らないといけないが、無許可で営業している事業者が多いというのが実情。このため、国土交通省は「住宅宿泊事業法案」(仮称)」を3月上旬をめどに提出し、旅館業法の許可を得なくても民泊サービスの提供を条件付きで認める。

法案では民泊事業を行う者を「住宅宿泊事業者(仮称)」とし、届出制度を創設する。民泊事業を行う住宅宿泊事業者は法案で定める要件を満たす旨を行政庁へ届け出なければいけない。具体的な要件については、現在詳細を詰めているところだが、基本的には昨年開催した「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の最終報告書に基づく方針。


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リフォーム市場、2013年を境に減少
団塊の世代もメインターゲットから外れる

リフォーム市場の拡大を図っていく上で、キッチン・バスといった水廻り関連の住宅設備は非常に重要な役割を担っている。リフォーム需要の中心的な存在であるだけでなく、水廻り関連設備を入り口に他の部位へもリフォーム需要が広がるケースが多いからだ。

水廻り設備メーカーとしても、新築が減少していくなかで、リフォーム市場の開拓は至上命題。他のメーカーよりも早くから取り組み始めていたTOTOやクリナップについては、売り上げに占めるリフォーム比率は5割以上にまでなっているが、今後はさらに伸ばそうとしている。

他のメーカーについては、現状では3割から4割がリフォームの売り上げといったところだが、中長期的には、リフォーム売り上げ比率を6割以上まで高めていこうとしているところが多い。例えば、タカラスタンダードの執行役員営業本部長・野口俊明氏は「新築市場が減少していくだけに、これから伸ばしていく売り上げにおいてはリフォームが重要となる」と語る。

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インタビュー
パナホーム資産活用企画開発部
集合住宅グループ 藤井 加奈子 氏

パナホームラシーネ研究所
所長 小松 紀美 氏

「トキメキが生まれる暮らし」を提案
住み心地の良さが女性を美しく

 パナホームは2012年から女性視点でつくる賃貸住宅のコンセプト「Lacine(ラシーネ)」を全国展開している。

 同コンセプトの研究基盤として設立されたラシーネ研究所の小松所長は、「ラシーネブランドの賃貸住宅には、女性のトキメキを生み出す様々な工夫を盛り込んでいます。
『早く家に帰りたい』『くつろげる』と感じてもらえる住み心地の良さが、女性を心身ともに元気にし、結果的に美しさを引き出すことにもつながると考えています」と話す。

──ラシーネのコンセプト、取り組みについて教えてください。

hada02.jpg小松 ラシーネは、女性の感性・嗜好に応える賃貸住宅のコンセプトです。近年、人々のライフスタイルが多様化する中で賃貸住宅に対するニーズも多様化してきています。当社では、賃貸住宅のコンセプトを新たに構築する上で、住まいやくらしに強いこだわりを持つ女性に着目しました。女性たちのニーズに応えられる、住み心地のいい賃貸住宅を追求することで、結果として女性だけでなく、より多くの入居者のニーズにも応えられ、競争力の高い賃貸住宅を実現できると考えています。

 ラシーネの全国展開に先立ち、「ラシーネ井の頭」(東京都三鷹市)を2011年6月にオープンし、単身女性を対象に2週間から4週間の短期入居体験を実施しました。ラシーネ井の頭の運営を通し人気を集める賃貸住宅の付加価値について様々な分析・検証を行いました。200人以上に上る女性の短期入居者の声から見えてきたのは、多くの女性はくらしの中に「トキメキ」を求めているということです。くらしの中にトキメキを生むためには、単に「キッチンの使い勝手がいい」とか、「意匠性に優れた内装材を用いている」といったことだけを満たせばいいわけではありません。住まいやくらしに関する不満や困り事を解消し、さらに上質感や感性的な価値の高さ、住まい全体として五感に響く住み心地の良さといったものを追求していくことが求められます。
 ラシーネの全国展開にあたっては、「ラシーネ井の頭」の運営で得たノウハウを商品や事業スキームにフィードバックし、くらしの中にトキメキが生まれるための様々な工夫を盛り込んでいます。「早く家に帰りたい」「くつろげる」と感じてもらえる住み心地の良さが女性を心身ともに元気にし、結果的に美しさを引き出すことにもつながると考えています。
 実際にラシーネの賃貸住宅でくらす居住者にヒアリングを行ったところ、「自分の好みに合わせてインテリアを飾れるので楽しい。早く家に帰ってくつろぎたい」「ラシーネに入居後、会社の同僚から『明るくなったね』と言われた」といったうれしい声を多くいただいています。

──くらしの中にトキメキを生む工夫とは、具体的にどのようなものですか。

藤井 当社がラシーネを近畿地区で展開するため、本社ビル(大阪府豊中市)の1階に開設しているモデルルーム「ラシーネ・テーマスタジオ」のDINKS向け1LDKプランのモデルルーム(延床面積約49㎡)を例に説明させていただきます。このプランのくらしテーマは「夫婦の時間と一人の時間を楽しむくらし」です。夫婦が一緒に楽しく料理や身支度ができる工夫を盛り込むとともに、夫婦それぞれが一人の時間も楽しめるように配慮しています。

p3.jpg その工夫の一つは、ワイドな対面式カウンターを備えたオープンタイプのキッチンです。リビング空間全体をよりすっきりと広く感じてもらうためです。また、夫婦間のコミュニケーションを促す効果が期待できます。休日には、夫婦二人で料理を作ることを楽しんだり、キッチンを挟んで会話をしたりといったくらし方を提案しています。朝の忙しい時間には、さっと食べて、さっと片付けることも可能です。収納に関する要望も非常に多いことから、まとめ買いしたものをたっぷりと収納できるパントリーも壁面に集中して設置しています。洗面室には、女性の声を反映して開発した洗面ユニット「スマート・ウィズ洗面」を採用しています。慌ただしい朝の身支度も二人同時に使えるように横幅を確保しています。ご主人が歯磨きやひげそりをしている横で、奥様はゆっくりお化粧をするといった使い方が可能です。身支度の時間さえも楽しんでもらえるように配慮しました。化粧道具やドライヤーなどが置けるカウンターや収納なども充実しています。また、この洗面空間には、顔色を素敵に引き立てるLED照明を採用しています。美しさを引き立てる照明で肌色が引き立つため、メイクがしやすくなります。

 くらしの質を向上させる様々な工夫も施しています。その一つが、寝室と洗面室をつなぐウォークスルークローゼットです。クローゼットを通り抜けられるようにすることで、居室全体をつなぐコンパクトで効率的な動線を確保しています。寝室から洗面への動線上にウォークスルークローゼットを設置することで、忙しい朝でもさっと身支度ができます。収納の使い方として「ご主人と奥様で分けて収納する」「夏物と冬物を分けて収納する」といったクローゼット通りを中心に左右に収納面をわけて使う、便利な使い方も可能です。

 快適なくらしを送る上では、きれいな空気環境も重要な要素です。そこで、玄関やリビング、寝室などには、調湿・脱臭機能のある内装壁材を採用しています。また、キッチンや玄関などには、臭いを脱臭するナノイー発生機を設置することをすすめています。

p4.jpg ラシーネでは多くの女性が望むくらしに関するニーズにも積極的に応えています。とくに要望として多いのは、「やすらげる空間が欲しい」というものです。そこで、リビングや寝室には、調光機能を搭載したLED照明を採用しています。生活シーンに合わせた照明の明るさを調節できます。寝室には間接照明を多用することで、よりくつろげる空間を演出しています。浴室にもくつろげる工夫を施しました。集合住宅では大きめの、一坪サイズのバスルームを用意しています。加えて、浴室の壁面に、アロマオイルが垂らせる専用トレイとLED照明が一体化した間接照明「バスホタル」も提案しています。間接照明とアロマの香りとの相乗効果で、よりくつろいだ入浴時間を演出できます。「賃貸住宅でも自由に部屋を飾りたい」といった要望も多くあります。

 そこでラシーネでは、可動棚付の化粧パネルも提案しています。フォトスタンドや観賞植物などは可動棚に、キッチンアイテムなどは可動フックにかけて飾るといった使い方ができます。お気に入りの小物を使って自由に楽しく部屋を飾ることが可能です。

 「玄関の姿見鏡以外にも、部屋のクローゼットにも鏡が欲しい」という声も多く聞かれました。そこで、収納折戸に姿見鏡を一体化した「トールミラー付折戸」を提案しています。こうした工夫を積み重ねることで、住まい手のくらしの中にトキメキが生まれ、女性の美しさも引き出せると考えています。

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