2017年 春の"イチオシ"商品 設備編

(2017.05.17)

水廻り設備は清掃性が重点提案
給湯暖房機、PVはZEH化へ対応

住宅水廻り設備機器について、アンケートの結果を見ていくと、キッチン・バス・洗面といった水廻り設備に関しては、特に清掃性に配慮した商品をイチオシとして提案するメーカーが多く見られた。共働き世帯の増加により水廻りの清掃時間を短縮したいといった声が増えてきた。また、リフォーム需要の中心となる中高年層からも、水廻り設備の清掃性に対するニーズが高まってきており、メーカー各社はこれまでより一層、清掃性の高い商品の提案に力を入れている。

cleanup05.jpgキッチンメーカーのなかでも特に清掃性にこだわりを持っているのがクリナップ。清掃に配慮した独自の「流レールシンク」を搭載したキッチンをイチオシ商品に挙げている。「水を使うたびにゴミや汚れが広がる」「シンクの隅にゴミが残る」といった従来のシンクの課題の解決に向けて開発したのが「流レールシンク」。シンクの底面の形状を手前に傾けることで、ゴミくずが手前からシンクの壁伝いに排水溝へスムーズに流れる。シンクで水を流すと自然とゴミが排水溝に流れていくため、「後片付け時だけでなく〝調理中から〟シンクをきれいに保つ、主婦思いの画期的なシンク」(クリナップ)。

クリナップでは2015年にシステムキッチン「クリンレディ」に初搭載後、2016年には最高級モデルの「S・S」にも「流レールシンク」を搭載しており、高い付加価値を持つ機能として高級商品の需要開拓の武器としている。

トクラスもキッチンの清掃性に重きを置いたキッチン「ベリー」をイチオシ商品に挙げている。「ベリー」には清掃性や清潔感を向上させる工夫として「ハイバックカウンター」を搭載している。これは、カウンタートップの奥から壁に沿って立ち上がるバックカウンターを通常よりも大きく立ち上げたもの。上部にレールを這わせ、専用の調味置きラックや水切りラックをぶら下げて利用できる。作業スペースに余計なものを置かないので、作業しやすくなるとともに、小物をカウンターに直置きしないので汚れがたまらず清掃効率が高まる。「ベリー」には、昨年10月から通常よりも奥行きを約10センチ㍍伸ばした「奥までシンク」も導入している。従来はシンクの中に据え付けられていた洗剤やスポンジを入れるためのカゴを、ハイバックカウンターのレールにぶら下げるようにしたことで、シンクの奥行きを伸ばすことに成功した。「〝シンク内の洗剤カゴに水垢が溜まる〟〝スポンジや洗剤に汚れた水がかかる〟といった潜在的な不満を解消しており、発売から半年ですが、多くのお客様よりご支持いただいています」(トクラス)。

住宅設備の素材という観点から高い清掃性を提案するのは、タカラスタンダードだ。高品位ホーローという独自の素材を採用し今年2月に発売した「ホーロークリーンレンジフードVRAタイプ」をイチオシ商品としている。キッチンのなかでも特に汚れが付きやすく掃除の手間がかかるのがレンジフードだが、「ホーロークリーンレンジフードVRAタイプ」では、整流板、グリスフィルター、シャットアウトパネルに汚れに強いホーローを使うことで、ひと拭きで簡単にきれいにできる。他社の製品では、グリスフィルターについては、汚れを防ぐためにフッ素加工しているものもあるが、食洗機やたわしなどを使うと加工が剥げてしまう場合がある。だが、ホーローならば、そういった心配もなく安心してゴシゴシ洗える。


システムバス、洗面化粧台でも独自開発素材、銀イオンなどで高い清掃性

tyouhu2.jpgシステムバスも清掃性の高い商品をイチオシに挙げるメーカーが多かった。例えば、パナソニック エコソリューションズ社はタカラスタンダードと同じように素材という観点から清掃性を訴求する戸建住宅用システムバスルーム「オフローラ」をイチオシとしている。リニューアルを行い今年6月から販売を開始する。浴槽には、表面が硬くなめらかで汚れがつきにくい、最高級クラスの有機ガラス系人造大理石を採用。また、カウンター、水栓にも同社の全自動おそうじトイレ「アラウーノ」にも使われている有機ガラス系素材を新たに採用し、水アカがつきにくく汚れがたまりにくい高い清掃性を実現している。

長府製作所は今年4月に発売したシステムバスの専用オプション「シャワ暖プラスAgミスト」でAg(銀イオン)による高い清掃性を提案する。毎日入浴後に床や排水口に除菌効果がある「銀イオン水」を30秒間散水することで、ヌメリの発生を軽減できる。

woodone 0517.jpgLIXILは今年3月に刷新した戸建住宅用システムバスルーム「Areise(アライズ)」をイチオシ商品に挙げているが、イチオシとしている理由のひとつが「まる洗いカウンター」を採用していること。洗面用具を置ける大型カウンターを簡単に取り外して丸洗いでき、浴室の清掃性の向上を図る。

TOTOも今年6月に新たに発売するイチオシの最高級クラス洗面化粧台「ESCUA(エスクア)」で清掃性を大きな訴求ポイントとしている。抗菌・防カビ効果のある樹脂を採用した「お掃除ラクラク排水口」を洗面台に初搭載。黒ずみ、ヌメリを抑えて清掃性を向上させる。また、オプションで除菌効果のある独自の「きれい除菌水」を搭載できるようにしている。きれい除菌水は除菌効果のある次亜塩素酸を含む水で薬品を使わず水から生成でき安全。排水口に散布することで雑菌の繁殖を抑えられる。


リビング・ダイニングと調和するシンプルなデザインがトレンド

このほか、水廻り設備については、凹凸感のないシンプルなデザインのイチオシ商品を挙げる傾向も見られた。近年、LDK一体の間取りが増えているため、リビング・ダイニングと調和しやすいように、シンプルな家具のようなデザインの商品が求められているためだ。

例えば、永大産業がイチオシとするシステムキッチン「ピアサス S-1ユーロモード」は欧州家具のようなシンプルモダンで洗練されたデザインを訴求。高いステンレス加工技術で実現している。また、ウッドワンがイチオシに挙げる「フレームキッチン」は無垢材を使用した棚板と黒の鉄フレームを組み合わせたデザインを採用。個性を放ちながらシンプルであるため、スタイリッシュなリビング・ダイニングに馴染む。

また、先述のTOTOの洗面化粧台「エスクア」もシンプルなデザインを採用。カウンターには従来のようにバックガードや水返しを設けず、できる限り凹凸のないデザインを採用している。


給湯・暖房設備は省エネ性能の追求、高機能化も

給湯・暖房設備については、高い省エネ性能を訴求ポイントにイチオシ商品を挙げるメーカーが多かった。住宅業界を挙げてZEHの普及推進に取り組むなか、住宅のエネルギー消費量の約半分を占める給湯・暖房設備のエネルギー消費量を減らすことで、ZEH化に貢献することをアピールするという狙いだ。例えば、リンナイは「ハイブリッド給湯・暖房システムECOONE(エコワン)」をイチオシ商品に挙げる。エコワンはリンナイが兼ねてから提案に力を入れている商品だ。エコワンは空気熱を活用して電気を作る「ヒートポンプ」と、ガス給湯器「エコジョーズ」を組み合わせた家庭用ハイブリッド給湯・暖房システム。ヒートポンプの性能向上やハイブリッドシステムの効率の向上を行いながら、省エネ設備の評価基準となる給湯一次エネルギー消費量において常に高い省エネ性能を実現してきた。一般的な製品と比べて、給湯は42%、暖房は23%の省エネ効果を発揮する。

パーパスも家庭内の省エネに貢献する給湯暖房機器をイチオシ商品に挙げる。具体的には、ガス給湯暖房用熱源機「新・高温水分配方式給湯暖房用熱源機 GH-H240シリーズ」を提案する。従来、暖房用と給湯用でそれぞれに熱交換器が必要だったが、「GH-H240シリーズ」では、ひとつの熱交換器で給湯・暖房・追いだきが可能な仕組みを導入している。さらに昨年春には性能を向上させた新バーナー・新型熱交換器を搭載してリニューアル。

「低湯温・少量出湯が可能になったことで、消費者のあいだで手軽に省エネに貢献できるツールとして利用されている節水シャワーや節湯カランを利用する際にも安定してお湯を供給できます」(パーパス)としている。

このほか、給湯・暖房設備については、遠隔制御などのこれまでにない新たな機能を搭載していることもイチオシポイントに挙げられている。例えば、パーパスの、「GH-H240 シリーズ」は昨年、NTT西日本の提供するHEMS「光BOX+」(EMS版)を通じて、スマートフォンなどからお風呂のお湯はりや床暖房のオン・オフを行えるようになった。

リンナイがイチオシとしている「エコワン」についても、昨年にHEMSと連携し、同様の機能を提供できる機能を搭載したモデルを発売している。
また、ノーリツがイチオシするガス給湯器「高効率ガスふろ給湯器 GT-C62シリーズ」では、高齢者などの入浴事故を防止する機能を搭載。急激な血圧変動を防ぐため、設定温度からマイナス2度でお湯はりし、水位センサーが入浴を検知すると設定温度までゆるやかに追いだきする「ゆるやか浴機能」を備えている。


LEDの標準化に向け従来の弱点である「配光」に配慮

照明については、「配光」に配慮した商品をイチオシとするトレンドが見られる。配光とは、光がどの方向にどれだけ出ているかという光の広がり方のことを言う。白熱電球の光が四方八方にまんべんなく広がるのに対して、LED電球は直下方向を中心に照射する特性があり、用途によっては部屋を十分に照らせないといった問題がある。だが、LED電球が標準的となってきているなかで、こうした従来のLED電球のデメリットを克服した商品が出てきており、アンケートでも商品の提案が目立った。

例えば、ウシオライティングがイチオシ商品に挙げた小形電球代替LED電球「Kirabi(煌火/きらび)」では、LED電球でありながら、水平が360度、垂直が270度という全方位に近い均等でムラの少ない配光を実現しており、アピールポイントとしている。

また、コイズミ照明はLEDダウンライト「twin配光シリーズ」で配光に配慮した機能をイチオシの理由としている。同シリーズでは、別売りの調光器を利用することで、家族のだんらん時などに最適な広角の配光と、食卓などの明かりや壁面を照らすウォールウォッシャー照明に最適な中角の配光を実現。LED電球が苦手とされてきた広角のベース照明としての明かりに加えて、生活シーンに合わせて配光を変えられるようにしている。


PVは発電効率と出力競争
長期安定稼働のニーズに保証もアピール

太陽光発電については、従来より一層、発電効率と出力を向上させたモジュールをイチオシ商品として提案するメーカーが多い。現在、ハウスメーカーや工務店はZEHの提案を活発化させているが、ZEHを実現するために太陽光発電は欠かせない。このため、太陽光発電メーカーはZEH化に貢献するために、これまでよりも発電効率を向上させた太陽光発電モジュールの提案を活発化させているのだ。

例えば、カナディアン・ソーラー・ジャパンは、新技術を採用することで高い変換効率と出力を実現した太陽光発電モジュール「CS6K-295MS」をイチオシ商品に挙げている。

太陽光発電モジュールには、太陽電池パネルで発電した電気を集めて流す「バスパー」という部材があるが、このバスパーの数が多いほど、発電した電気のロスを防げる。「CS6K-295MS」ではバスパーの数を通常より多い5本としているため、18.02%という高い発電効率を実現、出力についても295Wと高出力を達成している。また、従来よりも光を取り込みやすい「PERC」という技術も発電効率と出力の向上に貢献している。

また、サンテックパワージャパンは、イチオシ商品として、今年2月に新発売した屋根置き型 太陽光発電システム「サンクリスタル」を挙げているが、モジュールについては変換効率を従来の17.5%から17.8%に向上。出力についても285Wから290Wに向上させている。18枚のモジュールを搭載した場合、新製品は旧製品に比べて年間で約100kWh(灯油18リットル缶分) 発電量が多く見込める。

サンテックパワージャパンは手厚い保証もイチオシのポイントとしてアピールしている。「拡大するZEH市場において、長期信頼性が太陽光発電に求められる一番の要素と捉えている」(サンテックパワージャパン)。このため、同社は昨年10月にシステム全体として、製品瑕疵保証を10年から業界最高水準の15年に延長したが、サンクリスタルでも15年の保証を行う。また、モジュールについても、業界最高水準の25年保証を実施。

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